さかさま不動産で37軒目の成約~自治体連携から成果:高校生起業から2年越しのサードプレイス駄菓子屋開業へ~

株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、代表:水谷岳史)が運営する「さかさま不動産」は、空き家を使って地域で挑戦したい”人の想い”を可視化し、共感した大家や地域が「借り手を選ぶ」マッチングサービスです。空き家を介した関係構築により、関係人口の創出、創業支援、移住促進など、複合的な地域活性に寄与してきました。 このたび、37軒目のマッチングが高知県土佐市で実現。高知県では2022年度からさかさま不動産の活用や周知を促進してきた中で、家主と掲載者がマッチングした事例となりました。

人と地域をつなぐ、社会インフラとしての空き家活用

政府は2025年5月に地方創生の新たな基本構想案を公表し、関係人口の数値目標を掲げました。中でも、移住だけでなく仕事や趣味を通じて継続的に地域に関わる「ふるさと住民」制度の創設が検討されるなど、関係性重視のアプローチが本格化しています。 こうした潮流の中で、空き家は単なる住居や不動産ではなく、「人と地域をつなぐ接点」としての価値を持 ちます。さかさま不動産は、空き家を媒介に”挑戦する人”の情報を届け、共鳴する人と地域に接続させ、関係人口を育む循環の起点をつくっています。

人の想いを可視化し、地域とつなぐ「さかさま不動産」

「さかさま不動産」は、空き家を媒介に、地域で何かを始めたい“人の想い”を軸にしたマッチングプラットフォームです。「物件ありき」のモデルとは異なり、“借りたい人”の挑戦内容に共感した大家や地域側が“借り手を選ぶ”という“さかさま”の仕組みが特徴です。 人の想いの可視化により、単なる空間のやりとりを超えた、関係性起点の地域再生を実現しています。 ※サービス開始:2020年6月 HP:https://sakasama-fudosan.com/

・掲載者数(7月31日時点):400名(※物件が決まった人も含む「やりたい想い」の総数) ・マッチング:サウナ・本屋・リトリート施設・飲食拠点など 全国37軒 ・成果:創業支援/関係人口の創出/地域資源の活用/文化的土壌の形成

プレイヤーの想いを記事化する壁打ちを通じて、挑戦の一歩を後押しするケースも多数。移住や創業など地域参画を多角的に支えています。

借主:高校2年で学生団体を立ち上げ。活動場所を探し、さかさま不動産掲載へ

今回の借主は、高知高専5年生の澤田朱夏さん(20歳)。自身の経験から、経済的な困難や家庭の事情に左右されずに学習や挑戦の機会を得られる場所を作りたいと、17歳で学生団体「きみのたねこうぼう」を立ち上げて活動していました。 ワークショップやイベントなどを定期的に開催でき、市内に行かなくても土佐や南国でも子どもたちが集まれる場所を作りたいと不動産屋を回りましたが、学生ゆえか、なかなか物件が見つからない状況でした。そこで、さかさま不動産を活用して物件探しを始めました。 ▶ さかさま不動産の掲載記事

~高校生の挑戦~ 高知のこどもたちが”好き”を見つけ”やりたい”を伸ばしていける居場所を創りたい!

貸主:祖母宅の活用相談で市役所へ。紹介された「さかさま不動産」で出会い

貸主の澁谷 琴美(しぶや・ことみ)さん(32)は、祖母が他界後の物件活用を土佐市役所に相談した際、「想いから物件をマッチングする面白い仕組みがある」とさかさま不動産を紹介されました。澁谷さん自身も児童福祉や保育に関心があり、澤田さんの記事を見て思いに共感。澤田さんのイベントに参加して意気投合し、数日後には澤田さんが物件を訪問。マッチングとなりました。 まずは地域の子どもたちが気軽に立ち寄れる“入り口”として、8月2日(土)に駄菓子屋を開業。7月26・27日に開催したプレオープンイベントでは、温かい雰囲気でセレモニーも行われ、地域の方にお披露目されました。

今後は9月をめどに、母屋部分を活用して学習スペースなどを展開していく予定です。

【駄菓子屋:昔ながらの駄菓子屋きみたね】 住所:〒781-1102 高知県土佐市高岡町乙191番地1 営業時間:平日:月曜~木曜の15:30~18:00/休日:土曜の10:00~16:00 運営:合同会社きみのたねこうぼう メール:kiminotanekoubou@gmail.com HP:https://sites.google.com/view/kimitane/

借主と大家さんがともに挨拶周りに。地域へのスムーズな定着に一役買う関係性

澁谷さんと澤田さんは、単に「大家と借主」という立場を超えて、澤田さんの活動を応援し、様々な形で支える関係性が生まれています。澁谷さんが物件への送迎や手が足りない時のサポートを買って出ることも。また、近隣のご挨拶にも澁谷さんが同行し、地域の方を澤田さんにつなぐ役目を担ってくれました。 澤田さんにとっては、物件以上に強力で安心できるサポーターを得たことが励みとなり、地域へのスムーズな定着の足掛かりを一緒に作ってもらったことになります。一方、澁谷さんにとっても、思い入れのある祖母宅での福祉活動に対し、関わりしろが持てる機会となっています。

自治体のバックアップ:空き家率の高い高知で県全体のプロジェクトと連携

高知県では、2022年度から空き家対策チーム(高知県土木部住宅課内)が、空き家対策の一環として「さかさま不動産」を活用。連携事業として、2024年度に土佐市や香美市でさかさま不動産の説明会を実施するなどして、地域での認知・活用促進に取り組んできました。 各地の自治体窓口でも、空き家活用や移住希望者への一つの選択肢としてさかさま不動産を提案するなど、地道な活動から今回のマッチングにつながったといえます。

今後の展開

さかさま不動産は、挑戦者の想いに共感した地域側が借り手を選ぶ構造により、移住や創業を伴う関係人口の創出に加え、地域にあたたかな関係性と文化が育まれる土壌をつくってきました。能動的な人材をまちに呼び込み、地域の担い手として活躍する循環が各地で生まれています。 現在は、自治体の人手不足・ノウハウ不足に対応する「さかさまAI」の実証も進行中。2025年10月の正式実装を目指し、導入を検討する自治体向けに毎月説明会を実施しています。 今後も支局や自治体との連携を強化し、持続可能な地域づくりを推進してまいります。

株式会社On-Co

代表:水谷岳史|設立:2019年3月|本社:三重県桑名市西別所1375|拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル|HP:https://on-co.jp/  ミッションは「まだない未来をつくる」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。

本件に関するお問い合わせ

窓口:武田     TEL:080-5984-7800   mail:support@on-co.co