非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」にて31 軒目の成約〜熊本県で初マッチング。身近な人に想い伝わりママの挑戦が間借りからスタート〜
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」を介して、熊本在住ママによる育児や介護に頑張る人を応援する飲食店への挑戦がマッチングしました。熊本県でのさかさまマッチングは初めてです。 本件は飲食店開業への挑戦を段階的に進めるため、まずは月に1回からの間借り成約に至ったものです。
貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ
深刻化する空き家問題。総務省によると、2018年の空き家率は過去最高となる13.6%(849万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は41.1%(349万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています。 (※1※2)※1 総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」 ※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
さかさま不動産の狙い
さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示して大家さんが「貸したい人」を見つけることのできるサービスです。従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人は選びたい」「この人なら貸したい」「利活用方法や条件次第で貸すことも考える」「家情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者へのアプローチや、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致するしたい人などに有効となります。最近では「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」という物件所有者からの問合せが増えています。※サービス開始:2020年6月|HP:https://sakasama-fudosan.com/
借主:育児・介護・誰かのために頑張る人を「食」で応援したい
成約したのは、販売員のパートをしながら月一でランチ営業をする岩佐友恵さん(37)。自身も子育てに忙殺される中で、義母からお惣菜の差し入れをもらい、心に余裕ができて家族に優しくなれた原体験がありました。一方、家族のケアをしながらもどこかで自分の人生を生きることを忘れている感覚になり、菓子づくりや料理が好きだったことを思い出して一念発起。マルシェなどへの出店を経て、22年11月からシェアキッチンで月に一回のランチ営業を始めました。テイクアウトや菓子製造などもできるお店で、母として親として誰かのケアをする人たちの役に立ちたいと考え、その想いをさかさま不動産へ掲載しました。
▶さかさま不動産掲載記事 https://sakasama-fudosan.com/lessee/nikoniko-osozai/
家主:「熱意のある人に使ってほしい」同じエリアにある人気タイ料理店のオーナー
成約物件は、熊本市内にある人気タイ料理「路家(じっか)」。オーナーの永野さんはちょうど店舗の未使用部分の間貸しを検討していましたが「誰にでも貸したい訳じゃない。想いのある人に使ってほしい」と大々的な情報公開はしていませんでした。 そのころ、岩佐さんが出店するシェアキッチンのSNSから偶然さかさま不動産の記事を発見。永野さん自身も10数年前に飲食事業をスタートした際、別の飲食店の間借りをしていました。現在は地域に愛される飲食店となり、開業時の大変な時に支えてもらった恩を地域に還元したいという気持ちもあり、さかさま不動産を通じた応援に共感し、岩佐さんへの間借しを決めました。
同じ地域にいた貸主と借主。さかさま不動産が繋ぎ、挑戦者が応援される地域に
岩佐さんが利用するシェアキッチンと永野さんのお店は、熊本市内の同じ地域内。実は近距離にいた貸主と借主は、さかさま不動産を通じて出会いました。掲載は熊本県で唯一でした。 実は岩佐さん、自身の環境やキャパシティなどについて熟考し一度は「準備不足、経験不足」と永野さんからのご提案をお断りしました。しかし永野さんは改めて岩佐さんからやりたい想いを聞く中で、現業との兼ね合いなど調整しながら無理なくやってみることがいいだろうと間借りをご提案。岩佐さんもやりながら次の展開を考えたいと、まずは8月9日(金)のランチから間借り営業を決めました。
店名:お野菜カフェ トモ・キッチン
営業日時:8月9日(金)11:30から15:00(ラストオーダー14:00)
内容:塩麹チキンカツプレートのランチ(予定)
住所:〒862-0911 熊本県熊本市東区健軍3丁目1−55(タイ料理店「路家(じっか)」)
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/tomo_kitchenn/
地域と連携してフォローする仕組みへ
空き家が増え続ける一方、借りられる空き家は少ないというのが各地の共通課題。単に空き家を埋める事を目的とせず、どんな人がどう活用するのかを地域側も選ぶ必要性が出ています。 さかさま不動産では、空き家を介した丁寧な関係性づくりの重要性を感じ、2022年よりさかさま不動産支局制度を開始※。現在は愛知県西尾市など16拠点と連携し、借主貸主からの問合せ対応や地域リレーションのサポートを実施。交流人口拡大や地域活性化・産業の振興に繋がるケースが生まれつつあります。また月1回は支局同士の情報交換を行い、地域を越境した情報共有を図っています。 ※さかさま不動産支局:空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組み
今後の展開
空き家を介した関係性づくりに共感が集まり、全国の自治体やまちづくり団体との連携が広がりつつあります。6月には山口県長門市、7月には岐阜県岐阜市にてさかさま不動産支局が開局され、年内には和歌山市や三重県伊勢市での開局が予定されています。また、広島県呉市など自治体と連携した取り組みも始まっています。
やりたい想いを伝えることで応援者に出会えるプラットフォームとなり、空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にして挑戦を応援する気風づくりを目指します。
株式会社On-Coについて
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵|設立:2019年3月|所在地:三重県桑名市西別所1375|事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)|HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。
本件に関するお問い合わせ 窓口:武田 mail:support@on-co.co