非流通空き家を借り手の想いで動かす 「さかさま不動産」の岐阜県に2か所目「岐阜まち支局」開局 ~7月12日に開局イベント開催へ~
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、岐阜県2箇所目となる「岐阜まち支局」が立ち上がることとなりました。つきましては、同局主催で7月12日(金)に開局イベントが行われます。
地域に密着した方々と連携するさかさま不動産支局。長野県辰野、福岡県香春町、京都府伊根、愛知県豊田市などに次いで、18拠点目の開設となります。
貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ
深刻化する空き家問題。総務省によると、2023年の空き家率は過去最高となる13.8%(900万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は42.7%(385万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
また国土交通省が調査した「利活用に向けた活動状況」によると、将来的にも利用意向はなく「空き家のままにしておく」との回答が約3割。賃貸・売却の意向を持つ所有者は2割超いるものの、そのうちの約4割は「何もしていない」とのデータが出ています。(※3)
※1 総務省 「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」※3 国交省 「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 空き家対策小委員会 とりまとめ 参考
さかさま不動産の狙い
さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示してマッチングをするサイトです。
従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人や使途は選びたい」「物件情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者や、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致する際などに有効です。
最近では物件所有者から「情報公開はしたくないが良い人がいたら貸したい」「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」などの相談が増えています。
※HP:https://sakasama-fudosan.com/
多治見に続き、2箇所目の支局。岐阜まち支局がスタート
岐阜城や金華山にほど近い「岐阜町=金華・京町エリア」は、斎藤道三がその礎を作り、織田信長が繁栄させ、織田秀信が城下町として治め近世に繋いだ戦国城下町として、また長良川の運輸を活かした商業都市として発展。物流から問屋業が栄え、それを利用した提灯・団扇・和傘などの職人のまちでもありました。
今回支局を立ち上げるのは、岐阜町でまちづくりを担う株式会社岐阜まち家守。代表の山本氏は、明治9年創業の油問屋四代目として、主に飲食店開業者の相談を受けていました。また副代表の蒲(かば)氏は取材で水うちわに出会ったことを縁に、岐阜町に移住して地域の活性化を仕掛けています。国の重要文化的景観に選定されながらも伝統や歴史が急速に失われつつある現状に危機感を感じ、打開策を模索していました。
「挑戦したい人」は多い一方「借りられる物件」は少ない実状
岐阜町は寺社仏閣が多く、清廉な雰囲気や充実した教育環境などで子育て世代の創業者から関心が高いエリア。一方で、歴史的な町屋・木造家屋は所有者の高齢化や県外流出など様々な理由から取り壊しが加速。ローカルな関係性から空き家であることを公開したくないという想いが強く、物件の掘り起こしに課題を感じていました。
そこで打開策のひとつとして、「人」を通じて空き家問題にアプローチする「さかさま不動産」を活用。これまでも山本氏が創業サポートをする中で、借主の人柄ややりたいことを家主に丁寧に伝えることでマッチングに至ることも実感していました。そこで、借りたい人の情報を可視化することによって、非流通空き家の持ち主に「この人なら貸したい」と思ってもらう流れを創ることとなりました。
開局イベントについて
日時:2024年7月12日(金)|18:30~20:30
場所:善光寺 弘法堂ホール(岐阜県岐阜市伊奈波通1丁目8)
内容:①On-Coによるゲストトーク ②支局開局の背景 ③やりたい想いプレゼン ④交流会
対象:まちづくりに関わる人、大家さん、岐阜町で何か始めたい人、空き家活用希望者 等
ゲスト:株式会社On-Co 水谷岳史・太田憲明・奥田啓太
主催:岐阜まち支局|担当:田中|連絡先(メール):gifumachiyamori@gmail.com
今後の展開
持続可能なまちづくりにおいて大切なのは、ただ空き家をうめるのではなく新たな仕事と文化を生む、より良いマッチング。今後も地域を支える方々との連携を図り、物件を探す方法が従来の「家ベースの不動産屋」に加えて、「人ベースのさかさま不動産」が選択肢になる社会を目指します。
【参考】さかさま不動産について
借り手の人物像を開示にすることで、非流通の空き家の発掘や空き家を介した関係構築を目論む実証実験として2020年にスタートしました。
空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、国土交通省「まちづくりアワード2022」にて”潜在する空き家の流通に繋がる画期的な発想”として特別賞を獲得。自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住や空き家活用相談は増えている ②借りられる空き家がない ③空き家課題は深刻 ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。
岐阜まち支局について
運営:株式会社岐阜町家守|住所:岐阜県岐阜市靭屋町31番地|電話:058-201-5680
メール:gifumachiyamori@gmail.com|担当:田中
株式会社岐阜まち家守について
代表取締役社長:山本慎一郎|設立:2021年3月|拠点:岐阜県岐阜市靭屋町31番地
公式HP:https://gifumachi.net/
岐阜町の生活文化と歴史を今につなげる、素晴らしい景観と建造物を守るために立ち上がったまちづくり会社。2023年に岐阜市より都市再生推進法人に指定され、行政や他まちづくり団体と連携した支援を行う。
株式会社On-Co
共同創業:水谷岳史・藤田恭兵|設立:2019年3月|本社:三重県桑名市西別所1375|拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル|HP:https://on-co.jp/
ミッションは「まだない何かに挑む」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。
本件に関するお問い合わせ
窓口:武田 mail:support@on-co.co