非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」三重県に「伊勢支局」開局~2月25日に開局イベント開催へ~

株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、三重県に「伊勢支局」が立ち上がることとなりました。つきましては、同局主催で2月25日(火)に開局イベントが行われます。
地域に密着した方々と連携するさかさま不動産支局。福岡県香春町、京都府伊根町、愛知県西尾市、和歌山県和歌山市などに次いで23拠点目の開設となります。

貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ

 深刻化する空き家問題。総務省によると、2023年の空き家率は過去最高となる13.8%(900万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は42.7%(385万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
 また国土交通省が調査した「利活用に向けた活動状況」によると、将来的にも利用意向はなく「空き家のままにしておく」との回答が約3割。賃貸・売却の意向を持つ所有者は2割超いるものの、そのうちの約4割は「何もしていない」とのデータが出ています。(※3)
※1 総務省 「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」※3 国交省 「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 空き家対策小委員会 とりまとめ 参考

仕組みだけでなく価値をもひっくり返す。さかさま不動産の狙い

 さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示してマッチングをするサイトです。「貸す人や使途は選びたい」「物件情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の掘り起こしが期待できるほか、空き家を使って創業や事業などに取り組みたい挑戦者を可視化し、地域へ誘致する際に有効です。
 従来の不動産流通の仕組みを「さかさまに」するだけではなく、空き家という地域の課題(負の財産)を、地域を活性化する地域資源(挑戦の場)として、価値をも「さかさま」にする取り組みなのです。※HP:https://sakasama-fudosan.com/

地域の課題解決の手段として広がる支局

 さかさま不動産は非流通の空き家の発掘や空き家を介した関係構築を目論む実証実験として2020年にスタートしました。空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住や空き家活用相談は増えている ②借りられる空き家がない ③空き家課題は深刻 ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。
 2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。現在は全国22の支局が地域の課題解決や活性化のためのいち手段として、各地の取り組みに合わせて「さかさま不動産」を活用しています。

式年遷宮に関わる伝統的行事の担い手地域が人口減少する伊勢中心市街地

 伊勢神宮の外宮が位置する伊勢市中心市街地。式年遷宮に関わる伝統行事を担う自治会がある歴史的な地域でまちに対し強く誇りを感じている住人が多いことが特徴です。それゆえ簡単に空き家を手放したり貸したりできない責任感や慎重な姿勢も強く、移住・創業希望者が現れた時に空き家はあれど空き家情報がない現状があります。このまま空き家が増え続けると、中心市街地の定住人口が減少し、生活空間としての機能の低下やまちの魅力低下につながる恐れがあります。

三重県伊勢市にさかさま不動産の支局が開局

 伊勢支局を立ち上げるのは、「CCA studio」千島さん。千葉出身で設計事務所に勤める中で、地に足のついたまちづくりを目指して伊勢市のタウンマネージャーに公募、就任。商店街のビジョンづくりやステークホルダー間の意見調整などを行う中で、地域の特性上、人口減少は、地域の誇りともなっている式年遷宮に関わる伝統文化の継承危機にも直結することを実感しました。
 そこで、さかさま不動産を活用することで本当に伊勢を好きな人や若いプレイヤーを集め、家主に納得してもらえる貸し手探しを一体的にサポートするべく、支局を開設することとなりました。地域との関係構築を丁寧に図ることで空き家の持ち主に「この人なら貸したい」と思ってもらう流れを創り、新しい人と地元の人を融合させ、これからの遷宮を明るく迎えられるような街の発展の加速を目指します。

開局イベントについて

日時:2025年2月25日(火)|18:00~20:00
場所:コワーキングスペースSANDBOX 4F会議室(三重県伊勢市宮町1 丁目3-10)
内容:①支局開局の背景②On-Coによるゲストトーク ③借りたい人プレゼン ④交流会
対象:まちづくりに関わる人、大家さん、伊勢で何か始めたい人、空き家活用希望者 等  
ゲスト:株式会社On-Co 水谷岳史・太田憲明・奥田啓太 申込:https://forms.gle/eKzEq9eQ5sPFn9iJ8
主催:さかさま不動産 伊勢支局|担当:千島 連絡先(メール):info@town-ccastudio.com

今後の展開

 持続可能なまちづくりにおいて大切なのは、ただ空き家をうめるのではなく新たな仕事と文化を生む、より良いマッチング。大阪府堺市や鳥取県でも、支局開設の準備が進んでいます。今後も地域を支える方々との連携を図り、物件を探す方法が従来の「家ベースの不動産屋」に加えて、「人ベースのさかさま不動産」が選択肢になる社会を目指します。
 また、自治体と連携した実証実験も実施中です。高知県では3年に渡る空き家対策の連携事業に取り組んでおり、年々イベントへの参加や移住希望者等の掲載が加速しています。愛知県豊田市では、創業支援事業としてさかさま不動産と連携し、市内の空き物件を活用して創業者の挑戦意欲を形にする支援を行います。空き家活用にとどまらず、創業支援・商店街活性・移住促進など多様な文脈で地域に貢献できる形を模索してまいります。

伊勢支局について

運営:CCA studio|イベント専用Tel.050-5373-7173|メール:info@town-ccastudio.com|担当:千島

CCA studioについて


代表:千島 孝弘 設立:2016年5月
拠点:〒516-0077 三重県伊勢市宮町1丁目3−10 コワーキングスペースSANDBOX内
事業内容:2016年に伊勢市中心市街地活性化協議会タウンマネージャーに就任、5年間の在任期間に中心市街地の複数の商店街活性化、市街地再開発事業に向けた勉強会等のコーディネート、皇學館大学との産官学連携事業の推進などに取り組む。2021年からは伊勢まちづくり株式会社にて事業立案と事業を推進するプロジェクトマネージャー。中心市街地活性化を核とした伊勢市のまちづくりや地域活性化に取り組む。https://town-ccastudio.com/

株式会社On-Co


代表:水谷岳史|設立:2019年3月|本社:三重県桑名市西別所1375|拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル
HP:https://on-co.jp/ 
ミッションは「まだない未来をつくる」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。