家主と借主を想いで繋ぐ「さかさま不動産」にて子育て世代を応援する総菜屋がマッチング〜愛知県豊田市で27軒目の成約・間借りで小規模スタートからの創業挑戦〜
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、二児のママコンビによる子育て世代を応援するお惣菜屋への挑戦が、愛知県豊田市の休業中のカフェとマッチングしました。
本件は、「さかさま不動産いなかとまち豊田支局」支局メンバーの地域人脈や情報発信力をベースに、開局イベントでやりたい想いを発表したことから家主の共感を得て成約に至ったものです。
貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ
深刻化する空き家問題。総務省によると、2018年の空き家率は過去最高となる13.6%(849万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は41.1%(349万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
※1 総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」 ※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
さかさま不動産の狙い
さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示して大家さんが「貸したい人」を見つけることのできるサービスです。従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人は選びたい」「この人なら貸したい」「利活用方法や条件次第で貸すことも考える」「家情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者へのアプローチや、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致するしたい人などに有効となります。最近では「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」という物件所有者からの問合せが増えています。
※サービス開始:2020年6月|HP:https://sakasama-fudosan.com/
借主:食を生業にする二人が意気投合。実験的に小さく始められる物件を探す
マッチングしたのは、愛知県豊田市の加門侑扶さん(30)と岩渕知英さん(36)。二人とも管理栄養士・食育指導士の資格を持ち、それぞれ加門さんは料理教室や食育講座を実施、岩渕さんは栄養指導や調理業、フードライターとして活動していました。加門さんの料理教室に岩渕さんの娘が通ったことを機に知り合い、意気投合。
お互い2児の母として、また食に纏わる仕事をする中で、毎日子育てに奮闘するママたちの献立作り・買い物・調理など食事の準備に関わる時間を「おかず屋」となって助けられないか、とアイディアを持ち、実現に向け小さくスタートできる場所を探し始めました。
▶さかさま不動産掲載記事 https://sakasama-fudosan.com/lessee/okazuya-tsumugu/
貸主:「貸す人を選びたい」子育てで休業中のカフェを、共感できる人に活用してほしい
家主は豊田市で2021年から「金谷カフェ」を営むご夫妻。体にやさしくおいしい無添加の料理を提供し、子連れにも優しい地域で愛されるカフェです。2024年1月より出産・育児のため一時休業を発表しており、その期間の店舗活用について検討をしていましたが、これまで培ってきたお店のカラーや大切にしたい想いに共感してくれる人に貸したいと考えていました。一方で、こうした「想いに共感できて物件を探している人にどうやってめぐり合ったらよいのか」ということを悩んでいました。
やりたい想いを発表して起こった出会い
2024年2月、豊田市で開催されたさかさま不動産の支局開設イベントで「やりたい想い」を発表してみないか?と、「いなかとまちとよた支局」(以下、とよた支局)の鬼木氏から加門さん・岩渕さんへ打診。人前で話すことが苦手でしたが「行動を起こしたい」と奮起、約40人の前でやりたい想いを発表したところ、参加者の一人が開催会場となった飲食店のオーナーを繋いでくれ、単発のイベント出店としての話がまとまりました(4月に2回開催)。
さらに、イベントの開催レポをSNSで読んだ金谷カフェオーナーから「こういうお店が近くにあったら良いなと思った、ぜひ応援したい」と物件情報の連絡が入りました。地域をよく知るとよた支局が双方の特徴や相性を把握し、丁寧に情報共有するなど間に入ることで成約へ至りました。
さかさま不動産で物件と出会う魅力
貸主と加門さん・岩渕さんは双方のやりたいこと、想いを共有し、まずは5月GW明けから週2日の営業を目指して準備中。4月に実施したイベント会場での間借り出店によって、準備や接客の経験ができ、集客の工夫など改善の必要性も把握できたことで、新たな物件でのスモールスタートに向けた準備も着々と進行しています。
公式インスタグラム▶https://www.instagram.com/okazuya_tumugu_toyota/
空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にしているさかさま不動産。これまで全国27軒のマッチングがあり、街に文化と事業が生まれました。どの事例もさかさま不動産だからこそ生まれた温かな物語が織り成されています。
地域と連携してフォローする仕組みへ
空き家が増え続ける一方、借りられる空き家は少ないというのが各地の共通課題。単に空き家を埋める事を目的とせず、どんな人がどう活用するのかを地域側も選ぶ必要性が出ています。
さかさま不動産では、空き家を介した丁寧な関係性づくりの重要性を感じ、2022年よりさかさま不動産支局制度を開始※。
現在は岐阜県多治見や福岡県香春町など16拠点と連携し、借主貸主からの問合せ対応や地域リレーションのサポートを実施。交流人口拡大や地域活性化・産業の振興に繋がるケースが生まれつつあります。また月1回は支局同士の情報交換を行い、地域を越境した情報共有を図っています。
※さかさま不動産支局:空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組み
今後の展開
空き家を介した関係性づくりに共感が集まり、全国の自治体やまちづくり団体との連携が広がりつつあります。3月からは広島県呉市(産業部商工振興課)との「空き家を活用したチャレンジしやすいまちづくり」実証実験が開始。また長野県生坂村では、固定資産税 納税通知書にさかさま不動産チラシを同封。さかさま不動産公式LINEを活用した非流通(潜在的)空き家の掘り起こしと移住促進を目指します。
やりたい想いを伝えることで応援者に出会えるプラットフォームとなり、空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にして挑戦を応援する気風づくりを目指します。
さかさま不動産「いなかとまちとよた支局」について
車産業で中心市街地が発展する一方、市の7割を森林が占める自然豊かな産業都市。支局を担う「合同会社なんつな」は、共同代表の二人がそれぞれが地域に根差す会社の代表を務める。まちを多様にする若者が、主体的に挑戦し続けられる気風作りを目指す。
住所:豊田市平戸橋町馬場瀬69番地1
tel:090-8552-9009
mail:rie-27@nantsuna.com
担当:鬼木
株式会社On-Coについて
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵
設立:2019年3月
所在地:三重県桑名市西別所1375
事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)
HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。
本件に関するお問い合わせ 窓口:武田 TEL:080-5984-7800 mail:support@on-co.co