非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」高知県初「香美支局」開局~9月21日に開局イベント開催へ~

株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、高知県初となる「香美支局」が高知県香美市に立ち上がることとなりました。つきましては、同局主催で9月21日(土)に開局イベントが行われます。 地域に密着した方々と連携するさかさま不動産支局。長野県辰野、福岡県香春町、京都府伊根、愛知県豊田市などに次いで、19拠点目の開設となります。

貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ

深刻化する空き家問題。総務省によると、2023年の空き家率は過去最高となる13.8%(900万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は42.7%(385万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2) また国土交通省が調査した「利活用に向けた活動状況」によると、将来的にも利用意向はなく「空き家のままにしておく」との回答が約3割。賃貸・売却の意向を持つ所有者は2割超いるものの、そのうちの約4割は「何もしていない」とのデータが出ています。(※3)

※1 総務省 「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」※3 国交省 「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 空き家対策小委員会 とりまとめ 参考

さかさま不動産の狙い

さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示してマッチングをするサイトです。 従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人や使途は選びたい」「物件情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者や、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致する際などに有効です。 最近では物件所有者から「情報公開はしたくないが良い人がいたら貸したい」「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」などの相談が増えています。

※HP:https://sakasama-fudosan.com/

四国初のさかさま不動産支局が、高知県香美市に開設

香美市は高知県の内陸に位置し、柚子・にらなどが全国トップクラスの生産量を誇るなど農業が盛ん。地方都市としての人口流出が課題となり、香美市でも18年間で毎年0.4~1.8%が減少しています(※4)。一方、空港や高知市中心部からのアクセスが抜群ながら雄大な自然を楽しめる「バランスのよい田舎」として移住者も増加中。2025年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」のモデルとなるやなせたかしさんの故郷としても注目が高まっています。

※4 出典:香美市役所 「市の人口・世帯数」https://www.city.kami.lg.jp/soshiki/16/zinko.html

移住希望者が増える一方、「借りられる物件」は少ない実状

高知県では令和4年度から空き家対策チーム(高知県土木部住宅課内)が空き家対策の一つとして「さかさま不動産」を活用。令和5年度に県主催の連携事業として、高知県移住促進プロジェクトに加盟するNPO法人いなかみが香美市でさかさま不動産イベントを実施し、2度のイベントで30人弱の「挑戦者」が集まりました。 NPO法人いなかみは香美市の移住相談を受託しており、市の空き家調査(※5)で1800件近い空き家が確認されている一方、移住希望者がいても紹介できる空き物件が不足していると感じていました。令和5年度の年間移住相談750人・約200世帯のうち、一軒家の移住用物件を探すメインの方法「空き家バンク」での移住は年間10件程と、物件はあるはずだが情報として出てきていない状況。これを打開する一つの方法として「さかさま不動産」で地域住民に「挑戦者」の情報を提供をし、「この人になら貸したい」と物件の掘り起こしに繋げるべく、支局開設するに至りました。

※5:高知県香美市定住推進課による調査(2021年)https://www.city.kami.lg.jp/uploaded/attachment/31093.pdf

開局イベントについて

日時:2024年9月21日(土)|13:30~15:30 場所:ふらっと中町  (高知県香美市土佐山田町西本町1丁目6−19) 内容:①支局開局の背景②On-Coによるゲストトーク ③借りたい人プレゼン ④交流会 対象:まちづくりに関わる人、大家さん、岐阜町で何か始めたい人、空き家活用希望者 等 ゲスト:株式会社On-Co 水谷岳史・太田憲明・奥田啓太|申込:https://forms.gle/huk4aYB1RdWhk7Yi7 主催:さかさま不動産 香美支局|担当:藤原|連絡先(メール):madoguchi@inakami.com

今後の展開

持続可能なまちづくりにおいて大切なのは、ただ空き家をうめるのではなく新たな仕事と文化を生む、より良いマッチング。今後も地域を支える方々との連携を図り、物件を探す方法が従来の「家ベースの不動産屋」に加えて、「人ベースのさかさま不動産」が選択肢になる社会を目指します。また、高知県とは昨年度に引き続き、回覧板や広報誌等紙媒体での地域認知の拡大から空き家対策へ繋げる実証を連携して実施する予定です。

【参考】さかさま不動産について

借り手の人物像を開示にすることで、非流通の空き家の発掘や空き家を介した関係構築を目論む実証実験として2020年にスタートしました。 空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、国土交通省「まちづくりアワード2022」にて”潜在する空き家の流通に繋がる画期的な発想”として特別賞を獲得。自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住や空き家活用相談は増えている ②借りられる空き家がない ③空き家課題は深刻 ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。

香美支局について

運営:NPO法人いなかみ 住所:〒782-0076高知県香美市土佐山田町本村214番地(香美市立移住定住交流センター) 電話:0887-52-8606|メール:madoguchi@inakami.com|担当:藤原

NPO法人いなかみについて

代表理事 近藤 純次|設立:2015年4月 拠点:〒782-0076 高知県香美市土佐山田町本村214番地 公式HP:https://inakami.com/ 「いなかみ」の名称は「田舎+香美市」に由来。香美市の移住促進事業の委託を受けるほか、地域活性化事業、社会教育事業などを行なっている。設立から10年で145組276人の移住を実現。取り組みの中で得たネットワークを活かして地域住民と移住者の良好な関係づくりを行なうことを目指す。また、民間団体であるが故の自由度の高さをもちながら、高知県移住促進プロジェクト(KIP)として行政と連携した事業にも取り組んでいる。 株式会社On-Co 代表:水谷岳史|設立:2019年3月|本社:三重県桑名市西別所1375|拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル|HP:https://on-co.jp/ミッションは「未来の前座になる」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。

本件に関するお問い合わせ 窓口:武田    mail:support@on-co.co

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