「まだない何かに挑む」をミッションに掲げる株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営するアップサイクルコミュニティ「上回転研究所」で開発した、コーヒーかすと廃棄牛乳をアップサイクルした素材「カフェオレベース」を使用したランプシェードが、ベトナム等で28店舗を展開する日系創作ピザレストラン「Cafe 4P’s(カフェフォーピース)」のベトナム・ホーチミン店と、Pizza 4P’s (ピザフォーピース)のカンボジア・プノンペン2号店で採用されました。
カフェオレベースを使用した商品が海外で採用される初の事例で、国内はもとより世界から高い関心を得ています。
■問題視されるコーヒーかす
2021年における国内コーヒー消費量は約43万トン(※)、世界で見ても拡大傾向が続くコーヒー産業。その裏で問題視されているのが、コーヒー抽出後に出るゴミ(コーヒーかす)です。水分を含んで膨大化したコーヒーかすは事業廃棄物として処理されると同時に、温室効果の高いメタンガスを生成するなど、環境への影響も危惧されています。
※全日本コーヒー協会「日本のコーヒー需給表」 https://coffee.ajca.or.jp/data/statistics/
■海外の人気レストランのサステナブルチャレンジに「カフェオレベース」採用
「ゴミゼロ」に挑戦する人気レストラン
ベトナムを中心に28店舗を展開するピザレストラン「Pizza 4P’s」は、地域に根差したサステナビリティを実現する店舗として共感を得ており、Monocle 世界のベストレストラン50にも選出されています。
ベトナム・カンボジア店舗で採用
2022年、ベトナム・ハノイに出店した新形態店舗「Cafe 4P’s」は、コーヒーかすで染めたカーテンや解体木材から再生したカップホルダーなど、サスティナブルを実現するインテリアを使用。カフェカウンターにランプシェード2つ・花瓶1つが採用されました。また、同社が新たにカンボジアに出店するにあたり、同国での処分場不足などのごみ問題を背景に「ゼロウェイスト」を指向。店内の設備やインテリア類を可能な限り再生素材などで仕上げる試みの中で、ハノイで採用されたカフェオレベースが好評をいただき、カンボジアでもランプシェード4つ、植木鉢2つが採用となりました。
■カフェオレベース採用の経緯と、設置後の反響
同店のインテリア等担当者は、サスティナブルであることは前提に、素材感や色合い等お客様からの見え方や作られている背景も重視したいと考えていました。コーヒーかすを使った素材は他にもある中で、「カフェオレベース」は廃棄牛乳を使用するストーリー性、高いデザイン性、プラスチックなどを配合しない素材へのこだわりを高く評価し、素材デザイナー村上のSNSを通じてコンタクト。
オンラインで素材や形状の確認、現地特有の建築や素材を生かしたインテリアに合う色調の調整などを試行錯誤しました。海外発送の課題や税関トラブルもありましたが、初コンタクトから約3か月でハノイ向け商品を、カンボジア向け商品はオーダーから約2か月で納品を完了しました。
設置した担当者によると、カフェオレベース特有の自然素材の風合いを良いと感じる現地の方も多く、見る人を引き付ける魅力的な素材だと評価されています。
■今後の展開:飲食店から増える問い合わせ。自店でできる「マイクロファクトリー構想」浸透へ
上回転研究所では2021年からコーヒーかすと牛乳を使った新素材「カフェオレベース」でランプシェードなどの商品を展開。展示会やメディアを通じて素材が知られるにつれ、特に2022年に入り全国の飲食店から自社で出たコーヒーかすを利用する方法やインテリア素材としての導入に関する相談が増えてきました。
一方、廃棄物の回収にあたる環境配慮面から、導入店舗でのワークショップや廃棄物が出るその場でアップサイクルを行う「マイクロファクトリー構想」を目指し、扱いやすい素材の改良、成型方法の改善などを進めています。廃棄物への価値観を換える場を拡げるべく、飲食店や建築現場等と連携を強化して参ります。
■カフェオレベースとは
素材デザイナー・村上結輝が開発したコーヒーかすと牛乳から作る新素材です。豆の種類や焙煎度合いによって色合いが変わるため、各社コーヒーの個性を活かした商品を生み出せます。特徴は天然由来の素材のみ使用しているため、生分解性が高い点です。
開発の起点は毎朝ドリップコーヒーを淹れる中、ゴミとなるコーヒーかすの活用を考えるようになったことでした。
■導入事例
①自家焙煎コーヒー豆専門店カフェ デ コスタリカ(住所:山口県周防大島町西方2877)
「本当に美味しいコーヒーを届けたい」という想いで、旬の豆の個性を最大限に引き出す焙煎とハンドドリップをしているコーヒー店。新店舗(10月オープン)のカウンターに吊り下げるランプシェードを製作させていただきました。
②コミュニティースペース entaku(住所:鹿児島県大島郡知名町知名520 フローラル館地下1F)
離島での場づくりの最前線を担う「一般社団法人ツギノバ」が運営するコミュニティースペース。離島のゴミ処理課題への取り組みの一つとして、廃棄予定のコーヒーかすを活用したランプシェードを製作させていただきました。またオープンに向けて、島内の子どもたちと共に、施工時に発生する廃棄石膏ボードを新素材リセッコに変えて、タイルを制作するワークショップを開催しました。
■上回転研究所とは
名古屋市にて廃棄問題に対して、意匠性のある新素材開発という手法で取り組む素材デザイナー村上結輝を中心に展開しているアップサイクルコミュニティです。若者や企業が集まり、まるで料理をするようにアップサイクルと向き合っています。一人一人が廃棄物の分別を徹底かつ減量化する努力を行い、最終的にはゴミ箱が不要になる社会を目指して取り組んでいます。(活動拠点:マダナサソウ 愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル)
株式会社On-Coについて
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵|設立:2019年3月|所在地:三重県桑名市西別所1375|事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)|HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。
本件に関するお問い合わせ 窓口:福田 TEL☎:080-5984-7800 mail✉:support@on-co.co |